ウェブショップ「HEADS」の店長、87犬は、アメリカNYで行われていたBicycle Film Festival(以下BFF)を2005年に日本で始めた人物でもあります。


Bicycle Film Festivalとは、2001年にニューヨークで発足した、自転車の映像作品の上映を中心としたイベントで、国籍・職業・年齢を問わず『自転車が好き』という共通語を通して集まったスタッフ、参加アーティスト、スポンサー、そして観客とともに盛り上がる、いわば自転車好きたちのお祭りです。
今では、世界39都市で延べ10万人以上の来場者が集まる規模へと成長を遂げました。


自転車は、現代社会のなかで誰もが気軽に楽しめる移動手段であり、ライフスタイルのひとつ。


環境にも優しく、世界各国で確実に盛り上がりつつあるサイクルカルチャーの更なる発展を応援し、文化として定着すべく幅広い活動を展開するBFFの目的は、自転車にまつわるすべてを楽しみ、遊び、共有することにあります。

 

87犬は、そのポリシーに共感して集まった多くのボランティアスタッフや、NYの主宰者ブレント・バーバーと一緒に、BFFを盛り上げてきました。

 

そのきっかけは、2003年にインターネットでその存在を知り、「自分もメッセンジャーの作品を撮って応募してみたい」と動き出したところから始まります。
それから1年半の制作期間を経て、2005年あたまに「MSGR-Holic(メッセンジャーホリック)vol.1 Kyoto LOCO」が完成。同年、この作品がBFFとしてはアジア初の選出作品となりました。

 

主宰のブレントは、それまでNY・LA・SFの3都市でBFFを開催していましたが、2005年からロンドンと東京も開催地に加えたい意向を87犬に打診。結局87犬本人がBFF東京自体をスタートさせることになりました。

 

「最初はどれだけの人がこういうイベントに反応してくれるか、まったく分かりませんでした。自分は面白いイベントだと思いましたが、ある友人からは『自転車は乗って楽しむものであって、自転車好きが集まって一緒に自転車の映像見たって、何が楽しいのかさっぱり分からない』と言われてしまい、誰も来なかったらどうしよう、という不安がイベント当日までありました。
準備を終えて開場時間になり、いざ外へ出てみたら、すごい行列ができていて、驚きと共に初めてホッとできたのを覚えています。こう言うのも変ですが、『みんなどこでこのイベント情報を聞きつけたんだろう?』と思ったほど色々な人が集まっていて、ギュウギュウの状態で皆でワイワイしながら見ました。」

これまでBFFの成長を支えた一つの要因は、その内容豊かな作品にあります。単なる記録映像ではなく、ドキュメンタリーからロードムービー、アーティスティックな映像表現、アニメーション、ミュージックビデオなど様々。


ある伝説の男に密着した作品やアフリカの現状を自転車目線で切り取ったもの、アバンギャルド過ぎてよく分からないものなど、自転車を通して様々な世界が垣間見えます。


自転車というキーワードだけで、ここまで広がるのかと思えるほど、様々なクリエイターによる面白い作品が多数上映されます。


5分、10分のショート作品が多い中、1時間を超える長編大作もあり、毎年それらが観客をグッと惹き付けます。
BFFで観客の反応を見て、ウケが良ければ作品をDVD化するという流れもあり、BFFを足がかりにする映像作家や、国内外を問わず映像のレーベル会社が青田刈り目的で来場したりする動きも2007年頃から出始めました。

 

ここ「HEADS」では、BFFで上映された作品のうちDVD発売されたものをピックアップし、BFFには行かれなかったけれども、どんな作品が上映されているのか見てみたい!という人のために、シリーズで紹介していきます。

 

BMX、ロードレース、ピスト、メッセンジャー、クロスカントリー、ロードムービーなど様々な作品があり、どの作品もクオリティが高く、自転車好きにはたまらない楽しい作品が揃っています。
皆で集まってワイワイ見るのも良いですし、一人でじっくり見てもまた楽しめるはずです。

 

これからも、商品化された作品が出ましたら、こちらでご案内していきたいと思いますし、少しでも多くの作品が世の中にリリースされるよう働きかけていきたいと思います。