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言わずと知れた傑作。まぎれもない名作。言葉では説明の出来ないマスターピース。


フラメンコ用語で「デュエンデ」というスペイン語がある。

名ダンサーが名ギタリストと演じても「デュエンデ」があるとは限らない。初心者がラジカセに合わせて練習中の踊りに「デュエンデ」があるときも。

「魂」というか「神が降りてきた状態」というか。最高のフラメンコを踊るには技術を高めるのは当然だが「デュエンデ」を呼び込まないといけないそうだ。

 

オープニングの坂をスキッドを挟み込みながら降りるカットにタイトルが重なる。

そしてBGM、the mallの「アドバンテージアウト」が始まる瞬間から、これから始まる映画のライダー達を紹介する予告編的な映像にも関わらず、デュエンデが全開。

2度3度とMASHを見るたびにオープニングシーンで既に動悸が速くなる。

 

走る車の隙間をすり抜けるようなカットでは、「巧さ」ではなくどうやって偶然性をコントロールできるかがカメラマンの腕の見せ所。だから撮影はラフ。

そもそもライダー達も「こう走ってくれ。」と言われて従うような人ではない。マイケルが苦心したという編集も一見あっさりしている。作り込みではなく素材をどう生かすかがテーマだったのだろう。


その結果が映像に魂を吹き込み、デュエンデを呼び込んだ。

ある瞬間ある場所に、光とカメラがあり、その時間と空間を映像として切り取る。それが映画の基本だとすれば、正しい瞬間に、正しい場所で、奇跡的なカメラワークで写されたのがMASH。


この映画は13人のライダーと7人のゲストライダーを順番に見せるというストレートなスタイルだが、例として最初のライダーAndyを取り上げよう。

見晴らしの良いワインディングの坂を走るAndy。スラッとした長い足とタイトな黒いデニム。サイズの大きなひょろ長いピストが美しい。悲壮感のあるBGMとスピードは、どこかに何かのために急ぐ使命でもあるかのようだ。その反面、彼のライディングは遊びにあふれ、笑顔も垣間見える。見るたびに自分の感じ方が変わる。

 

マイケルマーティンはスチールフォトグラファーでもある。(ちなみにブックレットも素晴らしい)MASHは写真的な映画だ。ストーリーはおろか、ナレティブもコンテクストも否定する。

「ツインピークスの坂を走ってるのを撮ろうぜ。」なんて打ち合わせはあっただろうし、撮影時間やカメラアングルの計算も当然あっただろう。第一この映像は編集されている。しかしそれがまるで見えてこない。
「その瞬間、その人、そのライディング」を切り取る。意味は映画をみるアナタが発見するのだ。

 

ピストムービーの先駆けにして、ブームのきっかけ、このMASHの映像が何人の人生を変えたことか。まだ見たことが無い人も、BFFや友達のDVDで見た人も、ぜひこの作品を手にして欲しい。


(文:タクヤ @メッセンジャーKAZE

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出演

Andy Peterson ,James Newman , Emi Brown , Rob Solimo , Jonathan Burkett , DeMarco McCall , Dustin Kllein , Garrett Chow , Richie Ditta , Josh Olstott , Massan Fluker , Chris "Dirt" Collins , Travis Poh and Guest Riders : Jovan-tae Tumer , Eugene Hood , Joe , Joey , Yohei and John Igei

制作

MASH Transit Production

Producer

Michael Martin / Gabe Morford

DURATION

60min. pagetop