― その後、旅人になって、そのままカンボジアに移り済むことになったんですよね?
タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムと東南アジアを回ったんだけど、カンボジアがすごく気に入って、一旦帰国後に、今度は移住するつもりで、仕事も決まってなかったけど自転車だけ持ってアンコールワットに行って。 着いたその日に、現地の日本食レストランを経営している日本人に偶然会って、それがきっかけでそのお店で働くことになりました。

― 何かついてますねー!この就職難の時代にうらやましい(笑)。どんな仕事だったんですか
それが、いきなりマネージャーになって(笑)。スタッフはオーナー以外、すべて現地の人だったので、 特にトラブルがなければ料理の味見だけやってました(笑)。正しい日本食の味かどうか、時々チェックするの。
― え? 味見係りですか?(笑)
そう(笑)。ま、それだけじゃないけどね。 やっぱりトラブルがあった時は土下座したこともあったし。結局3年やったんだけど、色々勉強になった。実際は、大変なことの方が多かったかな。
― そうですよね。 それで、その後に独立されたんですよね?
3年やって、独立を考えていた頃、ちょうどプノンペンで同じく日本食レストランの経営の話しがあって、それで始めた感じ。
― 日本食レストランって、どんな料理を出すんですか?
何でもあった。そば、うどん、ラーメン、とんかつ、天丼、定食もの、てんぷら、刺身、寿司、カレー、ステーキ、、、向こうでは富裕層向けの高級レストランって位置づけで。
― 何でもあるんですね。日本食が恋しくなったりせずに済みそうですね(笑)。
向こうでも自転車に乗っていたんですか?
乗ってましたよ、主に通勤で。店のオーナーが自転車で通勤してくるもんで、あるとき現地のスタッフたちが『頼むから自転車に乗らないでくれ!』って言うから、『大丈夫、慣れてるし危なくないから』って言ったんだけど、『そうじゃなくて、こっちが恥ずかしいから車に乗ってくれ』って(笑)。 笑えるでしょ? 向こうの自転車は、まだスポーツ車とかも少なくて、自転車は貧乏人が乗る乗り物っていう見方が強いんだよね。

― 恥ずかしいからって(笑)。じゃあ、向こうはレースとかはないんですか?
毎年12月にアンコールワットで自転車のレースがあって、その時期は店が忙しくてなかなか出られなかったんだけど、独立してようやく4年越しに念願の出場ができた。
『アンコールワットバイクレース』って言って、マラソンと併催しているイベントで、前回は自分が唯一の日本人参加者だったので、ぜひ他の日本人にも参加してもらえたらと思います。アンコールワット遺跡を訪れるのとセットで行くと最高です。

― 単なる観光だけより、レース参加などの目的があった方が、より楽しいですよね。 では最後に質問なんですが、信さんにとって自転車とは何ですか?
うーん。何だろう? 『フロ』と同じくらい大事、かな。
― お風呂ですか?
気持ちいいし、ないと困るし、毎日入っていたいし、心も体も安らぐみたいな?? 違うか(笑)。



